システム運用とシステム保守の違いとは?

公開日:2025/03/03
運用と保守

システム運用や保守が十分に行われない場合、セキュリティリスクの増大やシステム障害の頻発、技術的負債の増加などで大きな損害や業務混乱につながるかもしれません。これを回避するためには、しっかりとした対策を講じることが必要です。この記事では、システム運用とシステム保守のそれぞれの業務内容・課題と解決策について解説します。

システム運用の業務内容

企業にとって情報システムは、業務を円滑に進めるための重要な基盤です。そのシステムが日々安定して稼働し、トラブルなく利用できるようにする業務が「システム運用」です。

具体的には、企業や組織が利用するITシステム(サーバー、ネットワーク、業務システム、クラウド環境など)が安定して動作し続けるように、管理・監視する業務です。システム運用は、単なる「システムの見守り役」ではありません。

トラブルを未然に防ぎ、業務の円滑な進行を支える重要な業務です。万が一、システム障害が発生すると、業務の停止や売上の損失、顧客対応の遅れなど、企業にとって深刻な影響を及ぼします。そのため、適切なシステム運用は企業の成長と安定に欠かせません。

システム運用に含まれる業務内容

システム運用には、システム監視・障害対応・データのバックアップと復元・ユーザーサポート・セキュリティ対策などの業務が含まれます。システム監視はシステムの異常を早期に発見し、トラブルを未然に防ぐことを目的としています。

サーバーのCPU・目盛り使用率の監視やネットワーク通信の異常検知、障害発生時のアラート対応などが業務内容です。障害対応は、システム障害が発生した際の迅速な復旧が目的です。

たとえば、システムダウン時の原因特定と復旧作業、障害対応マニュアル(手順書)の整備、トラブル発生の防止策の実施(負荷分散やサーバー増強など)がこれにあたります。

銀行などオンラインで資産をやりとりする場合、サービスがダウンすると、多くの利用者が取引できなくなります。そうなると信頼が損なわれてしまうため、徹底した対応が求められます。

データのバックアップと復元は、データの消失や破損を防ぎ、万が一に備える業務です。定期的なデータのバックアップ、バックアップデータの管理とテスト、データ復元手順の整備などが該当します。

たとえば、会社の重要な顧客情報が消えてしまった場合、大きなトラブルになります。このような事態に備えて、定期的なバックアップを確実に行うことが必要です。

他にも、システム利用者がスムーズに業務を勧められるよう支援する業務がユーザーサポート、サイバー攻撃や情報漏洩を防ぎ企業の資産を守る業務がセキュリティ対策と呼ばれます。

いずれの業務もおろそかにすると、重大なリスクにつながる恐れがあります。システム運用は、企業の業務を安定させるための守りの要です。

システム保守の業務内容

現代の企業活動には、業務システムやITインフラの活用が不可欠です。システムは一度作れば終わりといったものではなく、継続的なメンテナンス(システム保守)が求められます。

システム保守とは、ITシステムの不具合を修正し、性能を維持・向上させながら、長期的に安定して運用できるようにする業務です。

システムは時間の経過とともに、プログラムのバグ・システムの老朽化(技術的負債)・サイバー攻撃のリスク増大・業務変化に伴う仕様変更の必要性といった問題が発生します。これらの問題を継続的に監視・修正・改良することにより、企業のIT環境を健全に保つのがシステム保守の役割です。

システム保守の分類は大きく分けて4つ

システム保守は大きく分けて「修正保守」「予防保守」「改善保守」「適応保守」の4つに分類されます。修正保守はシステムの不具合(バグ)を修正し、正常な動作に導くことが目的です。予防保守はシステムが将来的に問題を起こさないよう、事前にメンテナンスします。

改善保守は、システムの使いやすさや処理速度を向上させ業務効率を改善し、適応保守は業務の変化や法改正に対応できるようシステムを改修します。システム保守が適切におこなわれないと、企業に深刻な影響を与えてしまいます。

システム運用・保守業務における課題と解決策

システム運用とシステム保守の業務には、それぞれ特有の課題があります。システム運用の課題のひとつが「障害発生時の対応遅れ」です。これは、システム障害が発生した際に、原因の特定や復旧に時間がかかる問題です。

解決策に監視ツールを導入したり、障害対策マニュアルを整備したり、自動復旧システムを導入することなどがあります。他にも、特定の担当者しかシステム運用手順やノウハウを理解していない「業務の属人化」や、システム規模の拡大に伴う「運用コストの増加」も課題です。

業務の属人化は、運用マニュアルや手順書の作成・更新により誰でも対応できるようにすることで対策できます。さらに、定期的な教育・研修の実施により運用チーム全員のスキルを底上げすること、ナレッジ共有の仕組み導入も解決策です。

運用コストの増加の対策としてはクラウドサービスを活用したり、自動化ツールを導入したり、アウトソーシングを活用することが有効です。

一方、システム保守の課題には「障害発生の未然防止が困難」なことや「システム変更時の影響範囲が広い」こと、サイバー攻撃の高度化による古いシステムの「セキュリティ対策の維持」などが挙げられます。

障害発生の未然防止対策には、予防保守の実施、ログ分析・予兆監視の活用、古いシステムの技術刷新(モダナイズ)が有効です。システム変更時の影響範囲の広さはCI/CD導入や影響分析ツールの活用、段階的なリリースによって、変更がどの範囲に影響を与えるか事前に分析します。

そして、修正後の自動テストを徹底し、部分的な変更を展開していくとよいでしょう。セキュリティ対策の維持は、定期的に脆弱性スキャンし、問題を早期発見することがおすすめです。ゼロトラストセキュリティの導入や定期的なセキュリティパッチの適用も重要です。

まとめ

システム運用は、企業や組織が利用するITシステムが安定して動作し続けるよう、管理・監理する業務です。障害時の対応の遅さ・業務の属人化・運用コストの増加が課題です。システム保守はITシステムの不具合を修正し、性能を維持・向上させながら長期的に安定して運用できるようにする業務です。障害発生の未然防止の困難・システム変更時の影響範囲の広さ・セキュリティ対策の維持などが課題です。障害時の手順書の完備や、各種ツールの導入、適切なアウトソーシング活用により、業務の効率化とコスト削減が実現できます。事前に自社の課題を分析し、目的に応じた対策を導入することが重要です。

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